小町娘

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「お久し振りです」 この人の婚家の悪い噂は聞いていたが、嫁いで一年で小町娘がまるで幽霊だ。 「娘です」 白桃じみたふっくりした頬。 桜色の産着の袖から覗く小さな朱鷺色の手。 「まあ、可愛い」 なぜか目の前が熱く霞んできた。 「きっと綺麗なお嬢さんになりますわ」
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