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21世紀も後半頃、世界は危機に瀕していた。
国々は果てしなく争い、多くの人々は荒んでいた。
父(学者)は、ボク(少年 英)に言った。
「英、ちょっといいかな、話があるんだ。」
「何、父さん。」
「やっと出来たよ、」
父は、そのメガネをテーブルに置いた。
「今のこのどうしようもない状況を変えるには、過去に行って
歴史を 変えるしかないと思うんだ。
このメガネはそのために作った
幕末の英雄は知ってるだろ。その人は国内の情勢にある程度メドが
ついたら、世界中を回る筈だった。
その人が世界に良い影響を与えるのは間違いないよ。だからお前が
行って、その人を助けるんだ。
つまりその人の近くにいて、危なくなりそうならその人や周りの人
に知らせるんだ。」
「そんな事出来るんですか」
「やってみないとわからん。でもやる価値はある。
お前はまだ未熟だが、他に任せられる人間もいない。
お前に託すしかない。
このメガネがお前を導いてくれる。」
「その人って?」
「その名は、坂本、」
「坂本?」
「りょう、」
「りょう?」
「その名は、坂本良一郎。」
「ええっ! そんな人いましたっけ?」
「いたさぁ、良一郎って名前、そんな珍しくもないだろ。
船中で八朔を作った良一郎さんだよ。」
「いや、そういう意味じゃなくて、えっ!、八朔?」
ボクは疑り深いのかな。
「今日からお前は、メガネ剣士 英だ。
だが剣士だからと言ってやたらと剣を振り回してはいけない。
人を傷つけてはいけない。剣士とは気持ちの問題だ。わかるな。」
「はい。」
ボクは明日、旅にでる。このメガネと一緒に。
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