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「おはよー」
「はよーっす」
クラスメート達が口々にいつもの朝の挨拶を交わす。なんて事ない普通の朝。
紫紅美に告られてから、はや1週間が過ぎた。
騒ぐに騒いでいたクラスメート達も段々落ち着いて、通常通りの日常に戻っている。
「なぁ~、キスした~?答えようよ、雅文~」
MSK(もうシバきたい啓)を除いて。毎朝、登校する度に似たような質問を繰り返すコイツに、いい加減殺意が沸いてくる。
「……何回でも、何百回でも言うが、俺らはまだ付き合ってない。よって、キスなんかしない」
「ちぇっ、つまんないの」
不服そうな啓。……紫紅美に話して地球上から抹殺してもらおうか、コイツ。
「じゃ、デートは?もう一週間も経つんだし、何回かはしたんでしょ?」
「……一週間前に、一度」
「それ、バイクで気失ったってやつでしょ?さすがにそれはノーカンだよ」
やれやれ、と肩をすくめる啓。コイツにしては珍しい正論に、何も言い返せない。
「美穂ちゃんの事をちゃんと見るんでしょ?そんなんでいいの?」
「……啓、頭打ったか?病院いくか?」
「残念ながら、ボクの頭脳は優秀なままさ~。悔しいかい、雅文くん?」
「いや、通常運転に戻って、むしろ安心した」
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