好奇とメガネにテレパシーを添えて

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ーーー私には最近気になっている人たちがいます。 その人たちは一見何の関わりもない2人に見えます。だけど2人の考えていることがあまりにも噛み合っているもんだから第三者目線で見ていると笑いをこらえるのが大変なくらい面白いのです。 あ、ちなみに私は超能力者です。望めば他人が何を考えているのかが分かります。信じられない人には信じてもらわないと始まらないとしか言えませんが。 「じゃあ…代わりに宮本さんも僕のメガネかけてみてよ」 そんな2人は今日の席変えで隣の席同士になりました。どんな展開になるのか期待していながら後ろの席から見ていたのですが、それはもう予想通りというか、予想を通り越すような面白い展開になっていました。 「なんで?」 彼女は当然のように彼にそう問い返します。そりゃそうです。宮本さんの方は嘘とはいえ正当な理由を用意しているけど塚田くんにはそれがありません。果たして彼がどう言ってその場をしのぐのか非常に興味深いです。 「いや…君も誰かに似ていると思ったんだよ。多分その人はメガネをかけてたから」 おお、なるほど。彼女の作戦をそのままマネするという方法で来ましたか。いかんせん独創性に欠ける気がしますがとっさに思いついたにしてはなかなかです。 対して彼女は数秒の間を空けて若干顔を赤くしました。彼の身につけていたものを自分が身につけることにちょっと恥ずかしさを覚えたようですね。なんというか見た目に反して本当に可愛らしい人ですね。
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