好奇とメガネにテレパシーを添えて

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どうしようと彼女の言葉に一瞬だけ悩んでしまう。 僕はメガネを取ったら冗談抜きで何も見えなくなってしまうだけでなく、目つきもあまりよろしくないので、素顔はあまり人に見せたいものでもない。 ただ、目の前の彼女は不安と期待が入り混じったような表情を浮かべながらじっとこちらを見つめてきている。そんな目で見られたらここでメガネを取らないことはいわゆる空気の読めない行為ではないだろうかとも思ってしまう。 外すか。外さないか。 そんな選択肢が僕の頭の中でまるでゲームのコマンドのように浮かび上がってくるのを感じた。そして、その2つの選択肢を矢印が行ったり来たりする。自分でもゲームのやりすぎだと思う。 そんな時だ。 さっきまで2つだった選択肢の他に、もうひとつ新たな選択肢が頭の中に浮かんだのを感じた。 そして、その選択肢が浮かんだ瞬間、なぜか僕に迷いはなかった。あとで考えてみるとあまりにもバカらしい選択肢なんだけど、その時はなぜかそれを最善の選択だと信じて疑わない自分がいたのだ。 「じゃあ…代わりに宮本さんも僕のメガネかけてみてよ」 僕の言葉に彼女はもれなく目を丸くした。
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