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――日本のとある地方都市。  郊外に位置する住宅街の公園に、ひっそりと光の矢が落下した。  しかしそれに気が付いた人はいない。ただ1人を除いては。  落下した衝撃で気を失っていたのか、一瞬記憶が飛んだのか、ロノウェとレラジェはこここがどこなのかをすぐに理解することができなかった。 「……ってて。……うーん、お前誰?」 「そっちこそだれれ~。うざい、激しくうざいし。ショーワの亡霊みたいだし!」 「いやー、もうほんっとにさ、お前やだ。ていうか、俺たち競ってるわけだし、別々に行動すべきと思わない?」 「えっ、ヤダし。こんな辺鄙なところで一人にされたって困るる~」 「作戦とかいろいろあるじゃん。そのほうが動きやすいはず」 「作戦の1つや2つ、とっくにあるる~。これはもらったし!」 「それなら別行動でも良さそうだな。準備があるから俺はこれで。せいぜい頑張れよ」  ロノウェはそう言いながら、続けてぶつぶつとつぶやきつつ公園を後にした。  残されたレラジェは、唇を尖らせながらそれを見送る。 「さっきの光は、君?」  不意に背後から声をかけられ、後ろを振り返る。  そこにいたのは少し前に水晶に映っていた人物。小首をかしげて不安気にこっちを見つめる――新田有登、その人だった。  一方、公園を出たロノウェは自分なりの作戦を立てるために集中できる場所を探していた。 ――新田有登という人物とそのメガネを外させる方法。  師の魔力も通用しないというこれらには、何か理由があるに違いない。  その理由とは何か?  メガネが特別なものである可能性。  例えば、魔力を帯びたものだったり、他世界から迷い込んだ異物だったり。  そして、もうひとつは新田有登という人物そのものに何かある場合。  伝説上の神や英雄の生まれ変わりとか、そもそも正体が人間じゃないとか。  アドラマリクは「意思のチカラ」と表現していたが、それは彼の魂が類まれな性質を帯びているからではないのか。  いずれにせよ本人に会ってみないことには、判断などできるわけもなく。 「うーん……。早く作戦考えて、レラジェより先にアルトに会わないと」
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