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一年生は青慶大学との合同合宿の打ち上げのパーティーの準備に借り出されたのだ。
やがて一年生の打ち上げの準備が終わると、上級生がやって来た。
自分達は普段着とあまり変わらない格好でいたが、上級生達はスキー場なのにミニスカートで
、これ見よがしにボデイラインを強調するような服装の者もいた。
当然、やってくる青慶大学の男性目当てである。
ゆかりもタイミングを見て青慶大学の学生と話そうとするが、その度に先輩が用事を言いつける
ので、結局誰とも親しくなることは出来なかった。
特にお目当ての隆志は人気があり、終始先輩達が話しかけ離さなかった。
パーティーが終わったとき、青慶大学の一年生が、一年生だけで飲み直そうと提案し、
近くのホテルのバーで二次会を開くことになった。
ゆかりも先輩達の監視の目から離れホテルのバーに集まった。
やはり隆志は人気があり、他の女性が離さない。
ゆかりはメガネをかけたままということもあり、少し遠慮していた。
そして二次会が終わり、それぞれが自分達の合宿所に戻ろうとしていたとき、
突然、隆志がゆかりの前に現われた。
「送っていくよ」
ゆかりは突然の事で驚いたが、隆志と一緒に雪道を歩き始めた。
そして合宿所の前まで来たとき不意に隆志に呼び止められた。
隆志は空を指さし、ゆかりに言った。
「雪が降ってきたね」
ゆかりと隆志の心が通いあうようになったのは、このときからだった。
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