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「辻君だっけぇ?サボりはまァ良いとしてよ、初日ってのァ流石に見逃せねェのよ。」
何この先生。
すっごい間延びした声。怠そう。
「あと"山さん"なんだけどさァ、まだわけェからちょっと手加減して……_____」
その後の話、あんま覚えてない。
だるっだるの表情筋をしたこのヒゲの先生の顔だけは覚えてる。ずーっと、ペラペラと説教して…全部右から左。
"山さん"
この言葉が、ずっと頭の中グルグル回ってて。
ヒゲのコイツじゃなくて、山口先生にイラついた。
なんで…?
なんで他の教師にはそんな馴れ馴れしくさせて、生徒の俺には冷たくすんの?
俺には厳しい顔しか見せないくせに、ソイツには顔赤くすんの?俺じゃなくて?
俺、ヒゲのオッサンに負けたの…_____?
「あぁ"~…っ…!!
腹立つ腹立つ腹立つぅ!!なんでこんな若くて可愛くてかっこいい男に目もくれないでヒゲのオッサンにうつつ抜かしてるの!?あり得ないんだけど!!俺そんなに魅力無い?山口先生の鼻へし折ってやりたい舌噛み千切ってあげたい……!!」
「落ち着け、辻。」
初日から二限目もサボってしまいました。
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