気に食わない

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俺が職員室に向かおうと階段をフラフラ下りてたら、授業終了の鐘が鳴った。 鳴り終わると同時に、放送も入った。 『一年生、辻誠。一年生、辻誠。 至急職員室山口のところまで来てください。』 繰り返します、と言って山口先生は同じ言葉を繰り返した。 「……今向かってるっつーの。」 やろうとしたことを先に言われると、急にやる気なくなることあるよね。ていうかそうじゃない人なんているの? 俺はさらにヘナヘナと階段を下った。 「失礼しまーす、一年の辻誠です山口先生に用があってきましたぁ。」 一息で連絡事項を吐き捨てて、ズカズカと職員室に向かった。 あ、居た……ん? 乗り込んで探す間も無く山口先生は見つかった。 一瞬だけ、目があった。 「…っぁ…あぁ、辻君、待ってましたよ。」 少しだけ、赤い顔。 「こいつかァ?初っ端から授業サボったって奴ァ。」 隣には、ヒゲの男。 ……誰だよそいつ。
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