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自分で言うのもなんだけど、俺は性格が悪い。
「俺辻誠、誠って呼んでよ。君の名前は?」
高一の春、入学式。
先生が来るまで、隣の席の女の子を口説いてた。
「誠…くん?あたしは瀬河まなみ!えと…よろしくね!」
「可愛い名前、まなみちゃんって呼ぶね。」
「あ…っ…うん!」
ほら、落ちた。
耳まで赤くしちゃって。
この瞬間、たまらなくゾクゾクする。
自分の手の中に人が落ちる瞬間。
支配欲って言うのかな、でもそんなんじゃない。
支配する気なんか端から無い。
この感覚を味わいたいだけ。
「顔真っ赤だね、熱でもあるの?」
「えっ…あ、ま、誠くん!?」
いつまで顔赤くしてんのさ、凄いね。
全然可愛くないよ、君。
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