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ガリゴリ!スャカシャカジャジャジャ――――――ん!
【いえーい☆お昼だよぉぉっ☆速いこと素早く喉つまらせなうように昼飯食ってこい☆はははっ☆】甲高い工場長の声と耳障りな昼の音楽が流れた。手のひらで耳をふさいでも頭に響きわたる、慣れない雑音が蝕むのは、ただひたすらに過ぎる時間だけ。
食堂に足を運ばせながら、どうしてこうなったのか考えた。そう、暇で一眠りしたはずなのに頭の中で響いた社長の声。
『手始めに【あるばいと】することを、命じる。
社長より(ハート)』
不愉快なメッセージをもらった後だ、目覚めたらひょうたんのお面を付けた工場長と面接していたんだ。
「コロッケ定食ください」食堂の調理場のおばちゃんに言った。「またかい?好きね坊や」ゲラゲラと下品に笑うおばちゃんの言葉を右から左に聞き流した。
席について暖かいスープを流し込む、じんわりと暖まりホッとする。唯一の幸せの時間だ。
そうそう、面接は見事に採用。
それから現在に至る。
「どうしたいのだろー、僕は?」スープに映る僕の顔は小さな波紋で波打って面白いことになっていた。
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