第1章

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現在に至ってからの生活は、酷いものだ。僕の扱いが酷いとも言うのかどうなのか、個人的なことなのに内線ではなく、工場内全体に言う。まるで公開死刑でもあっているようだ。いや、あっているんだ。 「コロッケうまいわ・・・おばちゃん」ボソリ呟くと、どこから湧いてきたのかわからないが「嫌だね色男!サービスだよ!」と言ってコロッケを一つ追加してくれた。 サクサクのホックリした優しい甘さが口に広がる。滑らかなジャガイモが舌を刺激する。箸が止まらないと言っても言いかもしれない。僕のいつものは『コロッケ定食』なのだ。 あっ、公開死刑にあってると言ったか、返事は内線で返すのだか、何度となくこのやり取りをしているとあきてくる。 ご飯に野菜をたいらげ「ごちそうさま」とおばちゃんに言ってから外に出ていき、身体中の空気を入れ換える。 気紛れでもかまわない、気分を変えたいだけなんだ。 午後からの【あるばいと】のためにね。また同じ作業するだけ、そして【?】がくると気分で入れるだけなんだから。 リリリッ!ガリゴリ!スャカシャカジャジャジャ! 【さぁぁぁぁぁぁ!☆午後からもハリキッっていこうぜ☆おさぼりは原点だよっ☆】 工場内には雑音に似た声が響いた。
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