白波の魔女の章

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「でもさー、扶桑周辺にはまだネウロイいないじゃん」 「そうでもないよ、五年前には飛行型怪異が現れて、舞鶴上空でも激戦になったんだから」 「北郷先生や、若本徹子先輩や、坂本美緒先輩が出撃して、全部やっつけちゃったんでしょ」 「うん、扶桑海事変て呼ばれてる事件ね、だから油断は禁物よ」 「美幸ちゃんはその時…」 と言いかけて、慌てて口を押さえる。 案の定、美幸は唇を尖らせ眉間に皺が寄せ、不機嫌な表情でこちらを睨んでいた。 「どうせ私は…」 思わず苦笑い、 器用にユニットを操ってクルリと横転しながら、拗ねてしまった美幸の周りを飛び回った。 ちなみに若本徹子と坂本美緒は、 森美幸と同期生であり、 欧遣艦隊リバウ航空隊に選出され激戦地の欧州へと派遣された。 扶桑海軍でも屈指のエースに成長していたりする。
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