白波の魔女の章

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一度大きく深呼吸して、 キッと口を固く結び、 目に強い意思を込める。 覚悟を決めた美幸。 「まだアレがネウロイかどうか確定したわけじゃない、けど見逃すこともできない」 「でも…」 「千里眼でアイツのことを詳しく教えて」 「う、うん」 赤く変色した瞳で謎の怪異の観察を再開する夕月。 「色は黒、口には歯、赤い一つ目、尾鰭を左右に振って海面を泳いでくる、体長は100メートル以上ありそう」 基本ネウロイは水を嫌う。 故に侵攻を水際で食い止めているという側面があった。 それだけに洋上を渡るこの怪異の出現は今後の戦局に多大な影響を与えかねない。 事の重大さに美幸はゴクリ唾を飲み込む。 しかしまだ情報が少なすぎる。 飛べるのか? 潜れるのか? 攻撃力は? 耐久性は? コアの位置は?
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