白波の魔女の章

18/47
前へ
/200ページ
次へ
《夕月、そっちはどう?》 《相変わらずだよ、東へ東へと泳いで進んでる》 《沖島から舞鶴へ迎撃要請がいったから、やがてウィッチ部隊も駆けつけてくるわ》 《北郷先生も来るかな?》 《たぶん真っ先にね》 魔法伝信で夕月と連絡をとる美幸。 養成学校時代の教官の話題が出て、美幸は思い出していた。 五年前の扶桑海事変、 北郷章香は先頭に立ち、候補生たちを引き連れて飛行型の怪異に立ち向かった。 その時、 11歳だった美幸は、 怖くて、 出撃できなかった… 軍事教練こそ多少受けていたとはいえ、 まだ候補生でもなく、 その前段階のウィッチ養成学生に過ぎなかった彼女には無理もないことではあるのだが… 若本や坂本といった同期のウィッチたちは、 果敢にも出撃していった。 その後欧州へ派遣され、 各々戦果をあげる彼女らのなんと煌びやかなことか…
/200ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加