序章

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仄暗い海の底で眠りから覚めた御霊がいた。 その御霊も御国の盾となるべく生を受けた戦士であった。 しかし激しい戦いの中、 武運拙く… 『吾はまだ終わらぬ、御国の為に戦える…』 誇り高き勇敢なる戦士の御霊であった。 『吾に器を、鋼の身体を吾にくれ』 御霊は、輝きを放つ。 深海の暗闇を照らす、青白い光。 御霊は浮上する。 既に物質として質量を持たない御霊なので、浮くという表現は当てはまらないかも知れないが… 輝く御霊は海上に出た。 淡い月影が波に揺られる夜の海であった。
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