序章

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生ある時の記憶を辿り、 そして護るべき御国へ還るべく陸地を目指して海上を走る。 陸影が水平線から上ってくる。 御霊が目指す、護るべき御国が有るはずの地。 辿り着けどそこは全くの暗闇、 御霊の記憶にある御国とは非なる、 無人の荒野が広がる大地であった。 人の気配どころか、 生あるものの存在を許さない荒野。 民人はいない、 その痕跡もない。 御霊が還るべき御国は、 存在していなかった。 『ア、アアアアアアアァ…!』 御霊は困惑し、 混乱を起こし、 迷走を開始する。
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