白波の魔女の章
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海ゆかば 水漬く屍 山ゆかば 草生す屍 大君の辺にこそ死なめ かえりみはせじ そこには水漬く屍があった。 半ば海上に半身を乗り出した屍である。 その屍もかつて御国の盾たらんと果敢に戦った戦士だったのだが… 今は深い眠りの中にある。 静かな夜だった。 寄せては引く、優しい潮の音だけが聞こえてくる。
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