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「おにいちゃん、ワンちゃん可愛いね」
「ありがとう。噛まないから撫でてあげてくれるかな?」
若い親子がムーとしばらく遊んだ後参拝し帰るときに、手を振っていく子供が多かった。
「おにいちゃん、ワンちゃんまたね!」と手を振っていってくれるのはとても嬉しい。
そんな中、ど真ん中の大鍋茶の周りには、予想通りおば様軍団がどこからともなく現れ、一杯のお茶を買い三人にしつこく迫っている。
頭のなかでムーに、可哀想だよねと話しかけると、うん、僕もさっきから帰りたくて仕方がないと珍しくムーが言うので見ると、しつこく撫で回している若い女性が居る。
「あの、申し訳ないのですが......」
「あ、すいません。あまりに可愛いお尻だったので」と平気でそんなことを言うので、断りをいれて参拝の方へと回ってもらうが、それから何故かムーは来る客みんなから全身を撫で回されぐったりとしていた。
ムーと遊んでいた女の子に「ごめんね、ワンちゃん疲れちゃったからまた遊んであげてね」と声をかけ、社務所の奥の部屋に移動する。
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