いち。

4/19

845人が本棚に入れています
本棚に追加
/249ページ
(宏太side) 珍しく1日休みになった今日。 愛する雪の為に、朝ご飯を作って、食べる姿を見て、ゆるく甘やかす……。 なんて良い朝なんだろう。 外に出れば、今をときめくアイドルの俺は有難いことに仕事も沢山貰って、最近は休みの方が珍しいくらいで。 そのなかで、この家で、雪と一緒にいる時が今一番幸せに感じた。 1年前、偶然出会った雪。あの時は目の前に天使が現れたくらいの衝撃で、 今思うと、あれを運命と言うんだろうな。 「お待たせ、ゆ…、あ」 ……寝てる。 使った食器を洗い終わって、ソファーで横になってるであろう雪の元に行けば、すよすよと気持ちよさそうに寝息を立てていた。 まぁ、静かだったし少し予想は出来てたけど。 「……かわいい」 「ん……、」 ソファーの傍らに座って、雪の柔らかい髪を撫でれば、小さく手に擦り寄ってくる。 ……あ、やばい。食べたい。 そう思うと同時に、無意識に唇を重ねていた。 人間、欲には勝てないな。
/249ページ

最初のコメントを投稿しよう!

845人が本棚に入れています
本棚に追加