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(宏太side)
珍しく1日休みになった今日。
愛する雪の為に、朝ご飯を作って、食べる姿を見て、ゆるく甘やかす……。
なんて良い朝なんだろう。
外に出れば、今をときめくアイドルの俺は有難いことに仕事も沢山貰って、最近は休みの方が珍しいくらいで。
そのなかで、この家で、雪と一緒にいる時が今一番幸せに感じた。
1年前、偶然出会った雪。あの時は目の前に天使が現れたくらいの衝撃で、
今思うと、あれを運命と言うんだろうな。
「お待たせ、ゆ…、あ」
……寝てる。
使った食器を洗い終わって、ソファーで横になってるであろう雪の元に行けば、すよすよと気持ちよさそうに寝息を立てていた。
まぁ、静かだったし少し予想は出来てたけど。
「……かわいい」
「ん……、」
ソファーの傍らに座って、雪の柔らかい髪を撫でれば、小さく手に擦り寄ってくる。
……あ、やばい。食べたい。
そう思うと同時に、無意識に唇を重ねていた。
人間、欲には勝てないな。
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