少女の決意と、犯人の独白

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 トミーは警部を焚き付けて、少々強引に、死体置き場へ急ぎましたが、これにはある目的がありました。  今はまだ彼女に拒否されているとはいえ、被害者の死体の一部を手元に置いておく事は、モリスの能力を事件の解決に役立てる為に必要不可欠な事でした。  ならば、警部と一緒にその死体の保管されている場所に赴くというこの機会は、どんな小さな欠片でもいいのでそれを手に入れておくべき絶好の機会だと思ったのです。  しかし、このもくろみは淡くも失敗に終わりました。  何故なら、警部と一緒、陰気くさい管理人に案内されて入った死体置き場、その死体が安置されてるはずの棺の中には、問題の遺体が影も形も無かったのです。
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