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僕は黙って彼女の隣まで行き、
男に睨みを利かせる。
そして何も言わずに彼女の手を握り、
……走り出した。
出入り口の方向は確認済みで
僕の使命は振り返らずに走るだけ。
一人の男として
少し恰好がつかないかもしれないけれど、
男としても人間としても
臨機応変に片付ける事が望ましいと僕は思う。
男を振り切り店の外に出ると、
目の前に広がるのは
店の駐車場や道路・・・ではなく、
真っ白な異空間。
いつの間にか同級生達もいない。
自分がどこに立っているのかも、
ここがどこなのかも、
一瞬でわからなくなってしまうほどの、白。
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