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「やあ、カルガモ君。また来たの?」
「うん、ベッセルさん。誘導馬のお勤め頑張ってね!」
カルガモのフガーは、最寄りの沼地に行く際に通過する競馬場へ寄ってく際に白馬のベッセルに逢いに来ていた。
ベッセルは中央競馬で白馬として勝利してから一躍アイドル競走馬となり、引退後誘導馬として、この競馬場で誘導馬として働いていたのだ。
「また、池のハクチョウに逢いに行くの?」
「うん。そのつもりだけど?」
「競馬場の人間の係員に見付かるなよ。係員はハクチョウ達が鳥インフルエンザとか感染病にかからないように他の鳥が池に行かないように監視してるんだからさあ。」
「ダイジョーブ!!僕はコンナに元気一杯だし、人間に見付からないようなルートをいつも通るんだ。」
カルガモのフガーは、気前よくベテランに言った。
「じゃあ、私はこれから『お勤め』に行くから。またね。」
白馬のベッセルはそう言うと、厩務員に鞍や馬装といった誘導馬の準備をしてもらう為に他の誘導馬達が待つ厩舎へ戻っていった。
「さてと、人間に見付からない通路は・・・」
競馬場には、いっぱいの人間の客が押し寄せ、パドックにはこれからレースをする競走馬達が厩務員に挽かれて周回していた。
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