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一日の授業の半分以上が終わり散り散りに昼休憩をとりに教室を出る。
「向遥、弁当食おう」
「あっ、お弁当忘れた」
鞄の中に入れたつもりのお弁当が無く帰宅後の鬼の顔が浮かぶ。
「向遥どうする? 購買?」
悠紀人が鞄を持って横に立つ。この高校の購買パンの競争は激しい。お弁当販売の業者も売りに来てはいるが運動部が販売開始10分で完売にしてしまうから今さら遅い。
「二人はお弁当あるだろ? 僕は学食行ってくるよ」
財布をポケットに入れ一人学食へ向かうことにする。特に美味しくも安くもないこの学校の学食は人気がない。もう少し学食のおばちゃんたちには頑張って貰いたいが競争率が上がっては困るから仕方ない。
食券を買いトレーを手に注文に向かう。人気が無くても学食にも人はそれなりにいて座る席の目星はつけておく。
窓際や隅は既に空席は無く一人寂しく学食の真ん中のテーブルを使う。
いただきます
心の中で手を合わせなんとなく心細く箸を持つ。
「おい、お前一人?」
神様、昨晩のご祈祷は届きませんでしたか?
「ああ」
返事を聞くとアキ君はなんの断りもなく隣の席に座る。
「アキ君、友達が向こうで食べてるよ」
「いいよ」
いや、僕がよくないよ。
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