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 バスケットゴールのある公園は少ない。少しだけ離れた場所にある大きな公園は遊具が大きくてたくさんの小学生が遊んでいた。  グラウンドの横にあるバスケットコートで買ったばかりのボールを袋から出してみる。  毬つきのようにしてボールの跳ねを確認する。球技は大嫌いだ。別にできなくても何も問題なかった。なんとなく周りの友達が球技の時だけは変わってくれた。体力テストのボール投げはファールで点数が付かなかった。それを気にしたことなんてなかった。  ボールを持ってゴールの下に立つ。ボールをゴールへ投げてみた。リングに当たったボールは僕を襲い頭に直撃した。 「いたい……」  リングから離れドリブルでゴールまで行こうとすればボールを蹴飛ばしてしまい僕の手元にボールは返ってこなかった。慌ててボールを追いかける。 「う、動くからだめなんだ!」  その場でドリブルをしてみる。動かなければ続けられるのに一歩前に進めば自分が何処へ向かっているのかも分からないほどボールに翻弄される。  きっと夕日の中で一人バスケをする少年がとても上手ければ絵になるのに……、今の僕は酷い。遠くで小学生が笑ってる気がする。 「バスケなんて嫌いだ……」  今までなにも困らかった。たかが体育の授業の為に自主練なんてしたこともなかった……。  なのに……、なんでボールを買ってまでこんなことをしているんだろう。  ボールを見つめていれば思い浮かぶアイツの顔。アイツの可笑しそうな笑顔。アイツの下手くそって声。 「もう一度やってみようかな・・・」
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