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扉が見えるものの、閉じ込められていると直感した。この部屋に居る十一人の男女が、鎖に繋がれ閉じ込められているこの状況。
体が妙に重かった。誰かに伸し掛かられているような、そんな感覚。立ち上がりこの場所を調べる気も、口を開き周囲の人間と交流する思考もなかった。
ただ、どうしてここにいるのだろう、と、そんなぼやけた疑問だけが渦巻いていた。
妙に高い天井を見上げてはっと息を呑んだ。
天井から何かがぶら下がっていた。それが人間であるという事に気付くまで数秒ほど。だらりと弛緩した体がゆらゆらと揺れていた。
頭上で首をつっている人間。
呼吸が荒くなるのが分かった。心臓が破裂するかのように鼓動する。頭から汗がたれ落ちるのが分かった。
周囲の人間もそれに気付いたようで、うめくような悲鳴が上がった。閉塞した空間の空気が始めて揺れた。
頭上の死が一気に頭を覚醒させた。フル回転し始めた思考は、とても激しい痛みと眩暈を伴った。
―落ち着きなさい。
立花は自分自身に言い聞かせたつもりだった。しかしその声は、自分のものではないように頭に反響した。
何故ここにいるのか、この状況が何であるのか、これからどうすればいいのか。
視界がぐるぐる回るのが分かる。
悲鳴が聞こえる中、立花は考えた。
「どうしてこうなったんだ?」
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