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「きゃー」
部屋の中で響く彼女の悲鳴に
父も俺も反応し、すぐに彼女=妹の元へ急いだ。
目の前には、血を流しながら倒れている
母親と後退りしながら怯えた顔で
片手に血だらけの包丁を持った妹だった。
だが不思議と俺も父も倒れている
母のことは気に求めずに
怯えている妹のもとに駆け寄り抱きしめた。
「大丈夫か?」
父が訪ね、俺が力を入れ守る様に抱きしめる。
「う、うん」
彼女は弱々しく頷く。
彼女が落ち着くまで1時間程掛かった
いつまでも血だらけのままには
出来ない彼女をお風呂に入れる為
ゆっくりと支え、立ち上がらせる。
父の助けもあり
リビングを3人で出ようとした時
俺の視界の橋に何かが映った。
それは、血を流し倒れていたはずの
母親だった。
「きゃ」
彼女はそんな母を見て
また、怯えはじめ小さな悲鳴を
あげた。
俺はそんな彼女を見て
目の前の母親を蹴り飛ばした。
……………………………………
「はい、カットいいよOK」
蹴る演技をした所でカットが入る。
俺は安心し蹴る演技をして倒してしまった
大先輩である女優さんに
演技と言えど詫びを入れながら
手を差し述べた。
「すみません」
「うんん、大丈夫よ
とっても良い演技だったわよ」
「ありがとうございます」
こうして無事に、映画の撮影は終わった。
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