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I
私が欲しいのは貴方の心だったのか。
それとも、貴方の温もりだったか。
私の身の内で今なお燻る、そんな幼稚な疑問がくすぐったい。
その2つは表裏一体のものだけれど、同時に大きく隔たった全くの別物だ。
私が私の欲するところを理解するにあたって、ここを混同したままに結論へ到達することはないだろう。
ただ、この2つが表裏となってしまっている状況そのものが、彼を受け入れて以降に感じる渇求の根源なのだということは、当然私にも判っていた。
彼が私の元に訪れるその意味を図りきれないほど若年でもなく、勘違いするほどの自信もない。期待するほど愚かでもない。
……などと言い切るほど物分かりが良い訳ではなかったものの、分別を求められている自覚はあり、また、それを裏切る強さはなく、失望されることを許さない自尊心があった。
そして私は、しかし彼の前で、鬱屈とした堂々巡りな戯れ言で武装しただけの小さな乙女だった。
そしてまた、実のところ、私が女の子になれるその瞬間こそが、私の最たる望みだったのかもしれない。
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