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夜空に散りばめられた幾多の星々。 幻想のように舞う綺羅星の数々。 君はこの時何をしていたのだろうと、思った時。 君の胸が私の頬を包んだ。 ……ダウンの表面が冷たい。 せめて、綿のやつ着なさいよねーなんていいたいけれど。 ムードこわれるし? ちょっと、拒否反応でてるけど――いや、もう何も言うまい。 この星の海にもう少し浮かんでいたい。 そう、今宵は良い星観日和。 君にしては上出来よ。 でもね、そういう時くらいは目を見なさい。 だから、付き合って半年もしてキスもできないのよ――なんて。 受験前だしね。 勉強が手につかなくなりそうだから、これはこれでいいや。 けれど、今日の事はきっと忘れないよ。 「またね」 そう言って、君の頬にご褒美をあげると、君はやはり、頬を赤らめた。 かわいいやつめ。
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