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高校入試の勉強中だっつうのに。 急に君から呼び出し。 それを受けて、玄関を出たのが午前零時。 うちの人がみんな寝静まっているっていうのに、君は強引なまでに玄関先で自転車に乗って待っていた。 外は一月厳寒よろしくの凍える寒さ。 「そのコート、よく似合ってるよ」 ――だなんて君、どこの雑誌にそう言えって書いてあったの? ただ寒いから、テキトーに羽織っただけだっつーの。 でも、君は何故か恥ずかしがって、目を合わせてくれなかった。 ちょっと勿体ないよね。 もう、来年から高校だよ、いい加減慣れなよ、なんて思いながら、私は君の後ろにお邪魔した。 君はゆっくりペダルを踏んだ。 ぐらぐらと揺れながら走る自転車。 不安定ながらもぐいぐい走って、着いたのは近くのスポーツ公園。 普段なら、「ふざけんなこんな寒いのに!」なんて言ってやりたいところだけれど。 見上げた空。 その瞬間、私は言葉を失っていた。
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