子猫を飼う

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亭主が帰ってくると、とりあえず玄関までやってくる。 犬なら尻尾を振って飼い主に飛びつくのだが、ソラは亭主が帰宅したと確認するとまた いつものキャットタワーに乗り、上からじっと眺めている。 猫というよりどちらかというと犬に近い。 ソラをくれた友人に言わせると「アメショは猫だが、性質は犬」だそうだ。 確かに自分の周りにいつもまとわりついている。 その日も朝、亭主が出勤するとき、ゆかりはベランダから顔を出して手を振った。 亭主が見えなくなり部屋に戻ろうと振り向いたとき何かが体にあたった。 ソラがベランダの手摺に飛び上がっていたのだ。 そしてゆかりが振り向いたとき、ソラはゆかりの体にあたって落下した。 運悪く、大家さんが庭にいて、その頭の上に乗っかってしまったのだ。 結局、ゆかりは大家さんに病気で寝込んでいる友人の猫を少しの間だけ預かっている と言って誤魔化した。
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