君の明日に私は居るか。

2/13
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
「お前、死ぬんだ?」 そんな脳天気な声が、私しか居ないはずの屋上に響き渡る。 声がした方に、ゆっくりと身体を向ける。 ―――其処に居たのは……小柄で可愛い見た目をした男子生徒。ネクタイの色を見る限り…私と同じ学年らしい。 「……何?別に私の勝手でしょ?」 「あぁ…、別に関係無いよ。だから、死にたいんなら勝手にどうぞ。今此処で死んだって、誰も悲しまない。……だから、死のうとしてるんでしょ?それをわざわざ俺が引き留める、なんて事しないから。」 ―――何コイツ……。何か、癪に障る言い方するな…。 ってか、こんな可愛い見た目からは想像出来ない程に口が悪い。 「……そうだよ、誰も悲しまない。誰も……私の事なんか見てくれない…」 強く、言い返してやろうと思ったのに……自分の口から出た言葉は、情けなくて…震えた声だった。 学校にも、家にも……私の居場所なんか無い。 何処にも、私の休まる場所なんか無いんだ。 「……ふーん、そっか。」 自分で聞いておきながら、興味を失ったのか…曖昧な返事をした彼。 「だからっ…私っ……!」 「じゃあ、またね。」
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!