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翌朝
ゴミを出しに行くと、木暮静子の姿が見えた。
奈保子は出直したいぐらいだったが
「あら、おはようございます。ええ天気やねぇ。引っ越しの荷物の整理はもう終わったの?」
笑顔で話しかけられた。
「あ…はい、もうほとんど片付きました。マットは今日にでも届くと思うんで…」
「マット?…あぁ、お子さんのマットね。
宅配で注文したの?この地域は送料高いけんねぇ
私なんかもこの前…」
…拍子抜けした。
前の住人とは言い争っていたと聞いていたが
あんなに突いといて、直接は何も言ってこないの…?
マット敷くなら許す、今後は気をつけるようにっていう無言の牽制…?
何にせよ、余計な揉め事は避けたい。
昼間は留守のようだし、極力刺激しないように夜だけ気をつけて生活しよう。
そこへ
「木下さーん?宅配便です」
マットが届いた!
救世主が現れた!
まさにそんな気持ちだった。
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