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「お、もう火おこしてくれたんだ、さすが兄さま。」
ファルが魚を採って帰ってきた。こいつの顔を見なくて済む安らぎの時間よ、さらば。
「その兄さまってのやめてくれ、吐きそうだ。」
「またまたあ。ツンデレなんだから、兄さま。」
そう僕をからかいながら肩をつついてくる女装した弟。
どんな地獄だよ。
僕が前世で何したっていうんだ。
…大虐殺やらかしたな、そういや。
ならこの程度でよかったと喜ぶべきなのか。
「大虐殺やらかしたなら、もう一人くらい殺ってもかわんないよな…?」
「にいさまー。兄さまじゃ僕を殺せないよ。相性悪すぎるし。僕が弟でよかったよね、幸せものだよ。
「おまえが転生してる時点で不幸だ糞が。」
「もー、せんなことよく2年以上言い続けられるよね。さすがの僕でも傷ついちゃうよ?」
「ああ、大いに傷ついて世を儚んで死ね。」
「もういいじゃんか、お互い様だし、十年も前の話だよ?一人じゃ旅もできないしさー。」
正論、だがこいつに言われると腹が立つ。
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