1850人が本棚に入れています
本棚に追加
「お、今日はここで野宿なんだ!じゃあお先に失礼しまーす。」
目を覚ますなりまた寝ようとするファルの襟首をひっ掴み、テントから引きずり出す。
「ファル、少しくらい僕の役に立ってもバチはあたらないぞ?」
「もう役に立ってるでしょ?」
「は?」
「こんな可愛い弟に、毎日癒されてるでしょ?」
「…もう一回死ぬか?」
「冗談きついなー。で?今日も魚とってこればいいの?」
「頼んだぞ。」
「はいはい、鬼。」
「しょうもない略しかたすんな。」
「ノリ悪いなー。あ、釣竿釣竿っと。」ファルがリュックを漁る。
「おい、そっちは僕の荷物だ。」
「あ、間違えた。ごめんごめん。えー、と。これだ。じゃあ行ってきまーす。」
折り畳みの釣竿を伸ばして肩に担ぎ鼻唄を歌いながら、川に向かって歩くファルの背中を見て溜め息をつく。
あいつほんとめんどい。
最初のコメントを投稿しよう!