第1羽 琴の音

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『二番機、何をやっている!手負いで単機の敵などさっさと落とさんか!』 無線から怒号が響く。 こちらとて落としたのは山々だが、ちょこまかと動き回られてなかなか照準が定まらない。 とても手負いの機体とは思えない動きだ。 榴弾砲が火を噴く、が敵機はそれをヒラリとかわした。 「クソッ!三番機、前に出ろ!」 その時だ、砂丘を抜けた瞬間、突如視界を塞ぐものが現れたのだ。 それは突拍子もなく、なんの前触れもなく現れたので、回避などできるはずもなかった。 そして「それ」を抜けた時、目の前に敵機の姿は無かった。
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