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「何だそのガキは。いつさらってきた」
熟睡しているとばかり思っていた神様が、床に肘をつき、頭を乗せた格好で、寝転がったまま訊いてきた。
「違うよぉ」
ボクは情けない声を出す。
「勝手に入ってきたんだ。扉を開けて」
「わぁ! お話できるの!?」
目を輝かせたのは、ボクの首にぶら下がったままの女の子。
まったく不審がることもなく、ボクの鼻先に「わかった!」と指を突きつけた。
「ワンワン、本当はトナカイさんなんだ! そんであっちはサンタのおじさん! ね、そうでしょお!?」
――――――ピキリィ!!
「おじさん」と呼ばれたうら若き乙女の姿の神様だけが、こめかみにデカい怒りマークを浮かび上がらせた。
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