第一章 学生編 肝試し

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俺はこの4月、地元広島の県立桜蘭高校に入学した高校1年生。この日、平凡で楽しい日常生活を送っていた俺が非凡な日々を過ごすようになったきっかけの事件が起きた。 中学の時にやっていた弓道部がこの高校にもあった。俺は迷わず弓道部に入部した。その弓道部に居た先輩たちと肝試しとやらに来ている。 メンバーは先輩二人と女性一人、あと俺の四人だ。車は先輩が運転している。確か先輩は俺の一つ上、高校二年生のはずだ。免許は持っていないだろう。シートベルトも締めずに転がすように運転している。連れの女性は運転している先輩の彼女のようだ。彼女の手前格好付けているようにしか見えない。 「えらい遠いな。」 後部座席の俺の隣に座る先輩が声をあげた。確かに車はもう一時間近く走っている。走っているのは幹線道路で未だにそれらしい雰囲気にはなっていない。 「今日は愛する新入部員の為に最強の心霊スポットを用意したからな。」 「マジ?俺たちが連れて行かれたところじゃないの?」
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