第一章 学生編 肝試し

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弓道部の新入部員は親睦の為肝試しに連れて行かれることになっている。そう聞かされて俺はこの肝試しとやらに同行している。引率は一つ上の2年生が行うことになっているらしい。 「あそこにしようかとも思ったけど、せっかく車があるしスゲエ心霊スポットがあるって聞いたからな。そこにしようと思って。」 俺は迷わず入部したので今回の肝試しは今年の一発目のようだ。今年はいつもと違う場所に行くらしい。 「スゲエってどうスゲエんだよ。」 「そこに行って頭がおかしくなった奴とか死んだ奴もいるんだってさ。」 「うえ。マジかよ・・・」 「ねえ。本当に大丈夫なの?」 「大丈夫だって。お前らマジでビビってんの?」 運転手の先輩は一人だけ変にテンションが高い。 11時過ぎに出たので時刻は既に12時を回っている。俺は行き先よりも明日のことが心配になってきた。これが高校生のノリというやつだろうか。正直勘弁して欲しい。 「えーっと鷹(たか)村(むら)だっけか?下の名前は何ていうよ?」
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