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美春が生まれたのは、もう五年も前のことだ。
僕ら夫婦の待望の子供であり、可愛らしい女の子だった。
美春が生まれても僕らは仲のいい夫婦であり、その仲のよさに子供である美春が焼きもちを抱くくらいであった。
「お父さんとお母さんは仲良しだもんね」
そんな風に頬を膨らます美春に僕らは吹き出してしまうことも度々あった。
「美春のことだって大好きだよ!」
と言って美春を抱き寄せると、今度は妻である由紀が、「お父さんは美春のこと大好きだもんね」と焼きもちを焼いたような素振りを見せる。
それで僕が困り果てた姿を見せると、二人はしてやったりと笑顔を交わし合うのだ。
全く、女の子ってのは男にとっては不思議な生き物だ。
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