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翔が悩んでいた頃
桜の部屋
あ~あ。また無視されちゃった。私のこと嫌いなのかな?
べ、べつに好きとかじゃないけど…
ちょっと心配なだけ。
友達としてだよ!?
翔くんは私のことどう思ってるのかな?
最近、だれかに告白してフラれたとか!?
イヤイヤイヤ、ないない
はぁ…どうしよう?
翔の家
あぁ…腹へった。
なんかないかな?
うわ、やっべ~カップ麺切らしてた~
買いにいかなきゃな~
桜の部屋
「桜~買い物行ってきてー」
親の声がした。
気分転換にいいかな~
しかし、気分転換どころではなかった。
スーパー
………
私の回りが静寂に包まれた。
「なんでいるの?」
「知らないよ!」
「あのさ…」
「帰れ」
「だから…」
「帰れ!!」
これ以上言い争っても
意味がないから、私は
買い物をしてスーパーを出た。
「さっきはごめん」
いきなり声をかけられたが、不思議とビックリすることなく返した。
「公園で話そう」
私は、そういったあとに後悔した。なんてことを言ってしまったんだと。
しかし、意外にもいいよと承諾してもらえた。
公園
翔くんがジュースを買ってきて、一緒にベンチに座った。
それから、いろんな悩みを打ち明けてくれた。
家族が事故でいないことや、一人で大きな家に暮らしていること。
学校の悩みなどを聞いたが好きな人の話はしなかった。
少したった頃、翔くんは古い本を取り出した。
「これを開けると、人間として劇的に変わるんだって親父が言ってたんだ」
さらに付け加えて、
「良くなるか悪くなるかは自分次第なんだって」
私は、
「いい人になれると思うよ」
と言った。
そして、本を開いた。
眩しい光が目を刺し、
私は目を閉じた。
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