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「無理して付き合わなくてもいいぜ? 水瀬」
小さなテーブルに置かれたペットボトルのお茶をコップに注ぎ、一気に飲み干す。体内は清浄になった気もするが後味の悪さは残ったままだ。私が渋い顔をしていたせいか、三木はそんなことを言う。
「あー……別に、無理はしてないけど」
「でも苦手だろ、グロいの」
「まあね」
「じゃあなんで」
どうしてこんな男の悲鳴鑑賞会に付き合うのか。……察して欲しいそれくらい。
「悲鳴評論家の話し相手なんて、私みたいなお人好ししかいないでしょ」
「う、……否定できないのが痛いな」
三木はばつが悪そうに視線を逸らした。悲鳴マニアである三木には友達はそこそこいるが、その趣味を共有できるほど寄特な奴はいない。笑ってあしらわれるのがオチだ。かといって孤立してるわけでもなく、要するに「いい距離感」で仲良くしている。
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