栄光のゴール

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 佐藤を先頭に、堂々とゴールするチーム・メガネ。  結果は最下位。  そして、同僚達から一斉に睨まれる。  それもそのはず。二時間も前に、全てのグループがゴールしていたからだ。  チーム・メガネを待っていた為、帰るのが遅くなったと言っても過言では無い。  しかし、佐藤は不敵な笑みを浮かべ、山田と田中もクスクスと笑い出した。  何故なら、オリエンテーリングの賞金や順位なんて関係ない。  トップの営業成績を上げ続けているチーム・メガネは、同僚よりも多くの給料とボーナスを手にする事が出来るのだ。  同僚との親睦が深まるどころか、逆に溝が深まってしまったが、チームの結束は今迄以上に高まったと言える。  ……  ……  ただ、カツラを握りしめながら伊藤課長に睨まれる鈴木と、研修後に何処のグループへ配属されるか分からない高橋は絶望の顔をしていた。 【完】
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