ep1.不実な恋を。

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「…図星かよ。ホントろくでもねぇ大人だな。目障りだから、さっさとどっか行ってくれない?」 綺麗な人が怒るとこんな怖いんだ…。 ドスを効かした言葉でそう言われた小山は、私のことなんかすっかり忘れたのか、こちらを見ずに走り去ってしまった。 「…ホントサイテーな男ね」 小山の後ろ姿を見て、そう呟いたお姉さんは今度はちらっと私を見て、 「奥に詰めてくんない??」 「は、はいっ」 指示通り奥に詰めて座った私の横に乗り込み、タクシーのおじさんに「ミリオンまで」と簡潔に伝え、車が走り出したのを確認すると、そのまま目を瞑ってしまった。 「…………」 えっと、私は…? 母の男に付いていくのもどうかと思うけど、見ず知らずの女の人に付いていく…連れ去られる?のもどうなのか? 入口側はお姉さんが寝ていて出られないし、…まぁ出ていった所で行くところがないのは一緒か。 それなら、一応小山から助けてくれたこのお姉さんに付いていく方が、幾分かマシな気がしてきた。 「ふぅ…」 こそっと一息吐いて、改めて横のお姉さんをそっと見つめると、芸能人顔負けな綺麗さに驚く。 睫毛は恐らく地毛で長く、唇もぷっくりと小さく薄ピンクで…、シャープな眉と目尻、顔のラインが可愛い系というより綺麗系に見せていた。 そして、私の見当違いでなければ、この人が着ているパーティドレスやきらびやかな装飾品、綺麗にアップされた黒髪は恐らく………
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