キミが逃げる

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「鍵。」 そう言って右手を出す。 キミの眉間に深~いシワがよる。 「キミちゃーん?」 手を上下させて催促する。 キミが『ふん!』と鼻息を荒くして席を立ち、バックヤードに消える。 よし、これで、キミと話ができる。 若干、脅迫じみていたのは仕方ないとして… 「ほら。」 そう言って、こっそり鍵を渡すキミ。 「キミちゃん、逃げるなよ?」 一応釘をさす。 「鍵渡しといて逃げられるわけないでしょ!」 そう言ってキミは飲み物を一気飲みする。 「酔いすぎんなよ。」 「は?何様のつもり?だてにこんな仕事してないわよ!」 確かに。 キミが酔いつぶれているのなんて見たことないし。 さて、キミの家で、これからどう話すかを考えよう。
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