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「あたし、その人に、『やっぱり女がいい』っていう理由で振られたの。」
俺の目をまっすぐ見つめてそう話すキミは、どうにも泣きそうな表情だ。
「そんなこと、最初から分かっていたことなのにね。」
「そっか…」
今、なんでそんなことを言いだすんだろう…
それは、きっと、俺を遠ざけるため…
「嫉妬して、あたしを独占しても、きっとあんたはすぐにどこかに行っちゃうわよ。」
泣きそうな笑顔で俺を全力で拒否するキミ。
まだ、そいつのことが忘れられないのか?
『そんなことしない!どこにも行かない!』
そう言って、強く抱きしめれば、心の傷は塞がるのか?
キミへの気持ちを受け止めることすら戸惑っている俺が?
そう、言い切れるのか…?
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