キミの家で

6/8
前へ
/133ページ
次へ
「あたし、その人に、『やっぱり女がいい』っていう理由で振られたの。」 俺の目をまっすぐ見つめてそう話すキミは、どうにも泣きそうな表情だ。 「そんなこと、最初から分かっていたことなのにね。」 「そっか…」 今、なんでそんなことを言いだすんだろう… それは、きっと、俺を遠ざけるため… 「嫉妬して、あたしを独占しても、きっとあんたはすぐにどこかに行っちゃうわよ。」 泣きそうな笑顔で俺を全力で拒否するキミ。 まだ、そいつのことが忘れられないのか? 『そんなことしない!どこにも行かない!』 そう言って、強く抱きしめれば、心の傷は塞がるのか? キミへの気持ちを受け止めることすら戸惑っている俺が? そう、言い切れるのか…?
/133ページ

最初のコメントを投稿しよう!

428人が本棚に入れています
本棚に追加