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「よくある話よ。
瑛太は、面白いおもちゃが、他の人に取られてイライラしてるだけ。ほんと、よくある話よ。
大丈夫。
そんな嫉妬心、すぐに消えるわ。」
キミが俺の髪を撫でる。
本当に?
本当にすぐに消えるのか?
「あたしたち、少し近づきすぎたのよ。冷静になりましょうね。」
優等生の佐藤公彦だ。
口調はキミのままだが、粋がって、やんちゃなことばかりしていた俺のことを穏やかな目で見た、あの佐藤公彦だ。
きっと今、何を言っても、優等生には言い負かされるだろう。
それだけの愛着や情熱を素直に認められない俺には、戦うすべがない。
それでも、なんとか打開策はないかと、考えてみたが、どうにもならないという結論しか出なかった。
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