キミがいない

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『おー!公彦かー!!』 という反応を期待していた俺は、少し肩透かしを食らった。 奏太の食いつきが悪い。 「そっか。 あいつ、元気だった?ってか、どこで会った?」 若干、しどろもどろな気がしないでもないが… 「ん?まぁ、だいぶ前だけどな。 〇〇病院で薬剤師やってたよ。会社のお得意さんが事故で入院してさ。たまたま会ったんだ。」 「へー、あいつ、やっぱ薬剤師になったんだー。」 奏太にとっては何気なく口にした言葉だろうが、俺にとっては聞き捨てならない一言が入っていた。 『やっぱ』ってなんだ? 「お前、知ってたの?」 「え?何が?」 「佐藤が薬剤師になそうとしてたこと。」 「え?あ、えっと… あ!ほら、あいつ、すげー頭よかったじゃん!!」 完全に怪しい。
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