決め台詞

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携帯のアラーム音で目が覚める。化粧も落とさず、シャワーも浴びてない昨日のままの私の横には、まだ寝ている男がいる。 昨晩飲み屋で知り合った男。名前、年齢、職業、とりあえず聞いてみたものの、興味がないのでまったく覚えてない。 男が起きる前に帰ろう。脱ぎ散らかした服を着て帰ろうとした瞬間だった。 「ねえ、もう帰るの?次はいつ会える?」 まだベッドの上で横になる男にそう言われ、いつものように私は 「気が向いたらいつでも。またね。」 と言って男の家を出た。 "またね"って便利な言葉だな。 次なんて考えてもいないのに、また会えるという期待を相手にさせる。快く解放してくれる。 1人の人に縛られたくなんてない。 いつかくる別れを思えば遊びで充分。 まだまだ遊び足りない私の帰り際の決め台詞。
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