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コンビニの天井にため息ひとつ。
……やっぱり今日はダメニャ。そういう日まわりなのニャ……。
それでも、その後もオレは一日かけて町の見回りに精を出した。
各所で知り合いに会ったけれど、みな忙しそうに今日という日を暮らしている。生きている……。
(これでいいのニャ……これが平和。つまり、この皆星町は幸せがたくさんで……オレは、必要ないのかもしれないニャ……)
いつの間にか日が暮れて、空には紫色の帳が降りてくる。
オレの好きな色。好きな時間ニャ……。
(…………今日が、終わるニャリ……)
何事もなかった平和な夜の町に、肉球で投げキッス。
あばよ、と言うのは寂しすぎる。
ならば……そう。『またな』くらいがちょうどいいのかもしれない。
この町の全てに背を向けることになっても、また何かあればオレは馳せ参じるだろう。
(またニャ……)
一日中、気を抜くと垂れてしまうシッポに気合いを入れていた。
そのせいなのかニャ、こんなにどっぷり疲れた気分なのは。
やっとの思いで辿り着いた我が家……が設置されている、チャーコんちの庭先。
そこになんと、思いがけないモノが待っていた。
「プッギーー♪ やっと帰ってきた! お誕生日おめでとう、ヌコリーーン!」
「「「おめでとうーー!!」」」
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